
「カウンセラー養成講座パートⅠ」では「交流分析」を学んでいただきました。交流分析の根幹は、「過去と他者は変えられない。変えられるのは自分の“今”からだけである。今が変われば、過去がどうであったかは問題ではない」というものでした。ところが現実的には、過去の出来事の影響を現在の生活に大きく響かせ、そのために苦しんだり悩んだりしながら日々過ごしておられる方たちのあまりの多さに驚かされています。
では、「今、ここ」での自分を見失うことなく生きる人と、過去の出来ごとに足を引っ張られ、過去の感情(特にマイナスの)を引きずって今を生きている人の差は、いったいどこから生じてくるのでしょうか?
その人の一生にとって、人生早期の母からのプラスのストローク(愛・甘えなど)が、生長していく子どもには必要不可欠であると講座で知りました。そういうストロークを自分はもらってきたのでしょうか。そして我が子に与えてきたのでしょうか?
そこで、まず親自身がどういう生活歴史の中で育ち、どう生きてきたのか、その結果、今どういう性格傾向を持った自分で生きているのか、我が子にどう接しているのか、に気づいていただくのが「パートⅠ」の目的でした。
次に「パートⅡ」では、「人の心はなぜ病むのか・病むとはどういう実態を言うのか」について学んでいただきました。人の心が病むか病まないかは、人間のそれまでの生活歴史、つまり各精神発達段階における課題が充足されたかどうか、それも人生早期の課題であればあるほど混乱はひどく異常性が大きくなる、ということでした。そして心を病んでいる人は決して特殊な人ではなく、弱点が折り重なっているのだと。『母性剥奪を体験して育った人々の心の底には、深い空虚感や絶望があるのだが、人間にとって空虚や絶望ほど恐るべきものはないであろう』と福島章精神科医は「非行心理学入門」の中で述べています。
「パートⅢ」では、「カウンセリング的態度を学ぶ」として下記の通り8回で組み立てました。
他者の心の内面を理解しようとするとき、私たちが直接知ることができるのは、自らの心の動きのみであり、他者の心の動きについては、その行動や言葉から推測していくよりほかありません。他者の行動や言葉を自らの心の動きに照らして、その行動や意図を推測し了解していくことになりますが、このとき、相手の話しに対して外的な判断を下したり、自分の考えを述べたりするのではなく、ただじっくりと耳を傾け、そこに生じてくる感情体験(話す側と聴く側の)を共にしていこうとする態度が求められます。これが共感と呼ばれるもので、そうした態度をもって初めて、私たちは他者の心の内面へと近づけるのです。
悩める人に寄り添い、対峙し、ひたすら聴き続ける力を培っていただきたくご案内いたします。どうぞご参加ください。
| 第1回目 | 2011年 10月29日(土) |
「カウンセリングの意味と目的・分裂病者の行動特性」 カウンセリングの目標は「治癒」や「成長」であり、未来の可能性に注目していく課程です。深く苦しめば苦しむほど人間の真実が見えてきて、本当の優しさがわかってくるものです。 |
|---|---|---|
| 第2回目 | 11月12日(土) | 「カウンセラーの役割とカウンセリングの限界」 濃密な人間関係を通しての相互作用は、人間の心理的健康を保つためには、空気のように生涯にわたって必要です。 |
| 第3回目 | 11月26日(土) | 「カウンセラーの能動性と受動性」 クライアントがカウンセラーに話す気になるには、カウンセラーの側に、まず母親に似た準備性-能動性が求められます。 |
| 第4回目 | 12月10日(土) | 「見立て」 自己理解を超えた他者(クライアント)理解はあり得ません。クライアントが気づいていない点にカウンセラーはしばしば気づいています。それがクライアントを支えます。そのためには、クライアントの現状を把握できるだけの知識が必要です。 |
| 第5回目 | 12月24日(土) | 「想像と観察の区別」 人間は統合された存在です。想像することと行動に移すこととは別のことです。想像の世界が肥大化すると、妄想に発展しかねません。 |
| 第6回目 | 2012年 1月7日(土) |
「感情的共感」 感情機能の回復が主体性の回復につながります。共感とは、「もしも私があなたの立場だったらこう感じると思うけれど、あなたの気持ちもそうか?」です。 |
| 第7回目 | 1月21日(土) | 「感覚的共感」 意識のプロセスで最も重要なポイントは、感覚レベルから感情レベルへの移行の段階です。感情レベルへ移行できない場合、刺激は身体レベルに伝わっていきます。 |
| 第8回目 | 2月4日(土) | 「ゲシュタルトの祈り」 「私は私、あなたはあなた。私がこの世に生きているのは、あなたの期待に応えるためではない。また、あなたがこの世に生きているのは、私の期待に応えるためではない。私は私です。あなたはあなた」 |
◆開催時間
毎回10:30~13:00(2時間30分)
◆会 場
勁草学舎 3階セミナールーム301号
◆受講料
全8回で25,200円(1回あたり3,150円)